2014年6月22日日曜日

電卓で遊ぶ幼児は、理学者の夢を見るか

先日、近所の100円ショップに行った時の事。母親にでも連れてこられたと思しき幼児が、何やらとても嬉しそうに電卓を持っているのですね。
電卓は、ボタンを押すと表示が色々と変わります。携帯ゲームマシンの様です。しかも、100円+Taxで買える。うまい事を考えたものです、この親御さんは。
幼児でも電卓を使うこの御時世。もちろん、幼児の使用は、電卓の表示が変わるのを楽しんでいる程度の話で、計算をしている訳ではありませんが、これはやはり「知育玩具」なのではないか。

この幼児が100円電卓を得て、少しずつ計算に対するセンスが養われて行けば、将来は理学者、となる事もあるかも知れません。
電卓は理学者だけのものではなく、大抵は簿記などの計算にも使われておりますから、件の幼児が必ずしも理学者になると限ったものではありません。多くの電卓は、かつての「そろばん」の様な位置付けではあります。
そろばんは、江戸時代では商家が簿記をするのに使われておりました。一方、関数電卓に相当するものは何があったか、と考えますと、一つは大工さんが使う「金尺」があったのか、と。詳しい事はよく知りませんが、丸太の直径を測ると、そこから切り出せる角材の大きさが判る目盛があるとかで、平方根の目盛らしい。そういや土木というと、英語では「Civil Engeneering」でした。また、農家では、土地の測量もしたりなどで、関数計算のリテラシイもそれなりにあった、という話もあります。江戸の頃から関数計算は、割合普及していたのです。そういう環境があって、関孝和は和算で微積分を研究したという成果があった、というと大袈裟かも知れませんが、幕末になると「算額」という(奇妙な)風習まで出てくるのです。

簿記などの計算には100円電卓は十分に威力があるのでしょうが、関数電卓が100円ショップにはない、というのが、実に悔しい。

最近のAndroidに付いている電卓機能って、妙な所が高機能だったりしますネ。三角関数や指数、対数の計算機能があり、γ関数まで計算出来るのですが、逆三角関数は計算出来ないらしい。関数計算の需要がそれなりにあるから、妙に関数計算機能が充実しているのでしょうか。ならば、そこで「100円関数電卓」というものを期待したいのです。100円で関数電卓が買えるとなれば、親は幼児にすらおもちゃ代わりに買え与える事が出来ようというもの。出てこないかなぁ。