これは取説中に「配列メモリに複素数が使える」(p31)という記述を見たからでした。fx-5800pの配列メモリと行列レジスタはまったくの別物で、行列は実数行列のみが扱える、という具合です。
そして、fx-5800pの行列計算能ですが、これは加減乗除、というとアレですが、取り敢えず、その辺りの計算が出来る様子。固有値などは求められませんが、行列の基本的な計算はそれなりに出来る様です。
fx-5800p で使える行列計算機能の大まかな所は、つぎの様です。
- 最大で10x10の大きさの行列を確保出来る (メモリとの相談の上)
- 5個までの行列を保持できる
- 行列の加減乗、逆行列の計算、くらい
残念な事に、プログラムからの利用ができない
※ 訂正 on 2013/02/13
やす 様のお知らせにより、どうやら行列要素のプログラムからの操作が可能らしい、と事で、上記部分を削除しました。詳しくは下記、コメント欄を御参照。
何でこんなものが欲しいのか。それは、プログラムからの応用が効くからです。
およそ、電卓の機能を盛りつけて、更にファームウェア・ストレージにまだ余裕があったので、行列計算機能を付け加えた、のでしょうか。
HP35Sでも、(3元までの)連立方程式の解を計算する機能がありましたが、これもプログラムからは使えないもので、「ちょっとしたスキマに差し込んでみました」いうくらいのものでした。
fx-5800pの行列計算能は、最大で10x10の行列が扱えると言います。逆行列の計算を使う事で、10元連立1次方程式が解けるはず。また、複素数係数ならば、5元連立1次方程式も計算出来るのです。
「あれっ、実数の行列しか計算出来ないんじゃないの」と思う向きもあろうか、と思います。そこで、つぎの所から、HP15Cの英語マニュアルを持ってきて下さい。
h10025.www1.hp.com/ewfrf/wc/manualCategory?product=5173542&cc=jp&dlc=en&lc=en
p160から「Calculations With Complex Matrices」という行があります。
15Cにも行列計算能がありますが、fx-5800pと同様、実数行列の扱いしか出来ません(15Cの場合は3x3程度の大きさです)。しかし、行列を拡張する事で、複素数行列の計算を行い、複素数係数の連立1次方程式を解くということをやってのけているのです。
15Cの連立1次方程式の解法は、複素数係数の行列を実数行列で生成して計算するというもので、詳細はマニュアルを御参照戴きたいのですが、英語なので少々読みにくいのが難。この拡張操作にプログラムの手を借りたいのですが、行列の要素操作の機能がないと、これが面倒。
詳細は述べませんが、じっくりと読んで試して戴きたく思います。
------------ 閑話休題 ----------
さて、昨年末はSharpが新しい関数電卓を発売するという発表があったそうです。
http://www.sharp.co.jp/calc/lineup/function_s.html
「EL-520M-x」、「EL-509M」の2つですが、これらは「スタンダード関数電卓」という事で、「高機能プログラム電卓」ではなさそう。行列機能も4x4のサイズまでです。
ナントカ試験対応電卓で、ロールオーバーキー入力もあり、打鍵速度の早い人にはウレシイものでしょう。
一方、Sahrpのグラフ電卓はデスコン(dis-continued; death-continued ?)になっておりました。
新しいグラフ電卓が出てくるのか、それとも、このまま電卓は縮小してしまうのか ... 。