2013年9月2日月曜日

電子辞書の目覚ましい発展

今日、「電卓戦争」は舞台を電子辞書に移しているかの様です。

http://casio.jp/exword/point2013/

ここでは、取り敢えずCASIOのページを示しましたが、他のメーカーも同様で、互いに鎬を削っているのでしょう。実に充実したコンテンツ。そして、従来は中高生までだったものが「小学生向け」まで開発、発売している。これは、昨今の「(小学生からの)英語学習」もあるから。ローマ字はもとより、今はクソガキの時分から英語まで教えないとならない。
CASIOのものは、ENELOOPでカラー液晶まで採用し、長時間稼動だといいます。これなどは、電卓製品を作り慣れたメーカーならでは、と感激するものであります。そして、充実したコンテンツには、音声まで収録されているらしい。ウーン、凄い。

SEIKOはAndroidを採用した電子辞書があるそうです。無線でGooglePlayからアプリケーションが導入できるわけではないのですが、それでもapkファイルでアプリケーションを導入できるとか。しかし、少々価格が高いのが苦しい。この不況のご時世にあって、もう少し勉強して欲しいと希望したい。

こうした電子辞書に共通しているのは、大量のコンテンツであります。電子辞書、といって、単に辞書のみを載せるに留まらず、マルチメディア機能や教科書的な情報も盛り込んでいて、ちょっとした百科事典なみの機能まで果たしつつある。それは、ガキ共に「末永く、とは言わないにしても、ガッコに通っている間は長い期間使ってもらいたい」という、メーカーの愛の現れではあります。

まあ「電子辞書」なんだから、他の機能を充実させる理由はないのですが、付録する「電卓機能」はどうなのか、というと、それが旧態依然「12桁の普通の電卓」だったりする。で、こうした電子辞書に共通して、辞書機能は大変充実している一方、他の機能はおざなりになっている、という所が、どうにも「?」と思うのであります。電子辞書から始まったにせよ、現在は単なる「辞書」のみではなくなり、「電子百科事典」とつつある。
CASIOは「自然表記数式入力」などを関数電卓でやっていて、しかも、最近の電子辞書は中高生などをターゲットにしている。ならば、電子辞書に自然表記数式入力の関数電卓機能を入れたらいいのではないか、と思うのです。個人的にはプログラム機能もあるとウレシイかな、などとは思います。

昨今、TVで知識を争うクイズ番組が流行って居ります。こうした番組の「弊害」というのは、知識の確認を行うだけで「ああ、当たった、外れた」にのみ奉仕する事であります。知識というものは、使ってこそ意味があります。それは、ものごとを考える「道具」だからです。
今日の電子辞書、いや「電子百科事典」は、広範な知識を与えるものでありますが、知識を活用する、「考えるための道具」としてならば、エレキのパワーでもって、例えば、そこに収録されている数値データを、そのまま計算に使用できる、くらいの工夫があってもいいのではないか。これからの電子百科事典に付録する電卓機能は、そういう事に奉仕すべきでしょう。ならば、関数電卓くらいの機能があってもいいでしょう。関数電卓で採用される自然数式表記などは、こうした場面で活きてくる。更に、関数のグラフを描けるとなれば、より「活きた知識」となって、その知識が血肉になろうというものです。知識を得て、それを十全に活用する。知識とは、物事を考えるための道具であります。
現在の電子辞書は「辞書」に徹するためなのか、そうしたおもしろい機能を付けようとする方向にはありません。それはメーカーの側に「電子辞書には知識はたくさんあるから、お前らガキ共はこれから知識を得て、ノートに書き写せばいいんだよ」程度の意識しかないのではないか。電子百科事典には、エレキのパワーで莫大な情報が収蔵されている。「お前らガキ共は、これで知識を得ればいい」それはごもっともな話ではありますが、それだけでは、どうなのか。「知識を収集するだけの教育では大丈夫なのか」という事を言いたいのです。

得られた知識を存分に活用し、物事をより深く考える教育が必要だという理想の元に考え出されたのが「ゆとり教育」だった。

【あの人は今こうしている】「“そんなことは決してない”ってメッセージを発信し続けてます」 - ゲンダイネット
http://gendai.net/articles/view/geino/127610

電子百科事典は「物事を考える」学習訓練の具として提供されているはずであり、なればこそ、知識を網羅するのみならず、それを活用できる土台も実装するべきなのではないか。もちろん、たかだか個人用の電子機器に、そこまでの機能を盛り込むというのは、大変な事ではあります。しかし、今日の電子百科事典は、莫大な知識を盛り込む事に成功しているではありませんか。ならば、つぎは「知識を活用できる土台」を盛り込もうじゃありませんか、メーカー様 ! その「小さな一歩」として、電子百科事典に「関数電卓機能」を、と本blogは提言します。

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