2012年7月31日火曜日

もうすぐ「ねぶた祭り」

ねぶた祭りに特別な思い入れはないのですが、以前にJulyさんでHP35Sを買った折に、「ねぶた祭り」のうちわが一緒に入っておりました。Julyさんは、その年のねぶたに協賛していた様です。
8月の上旬には「ねぶた」だそうですが、最近は不景気なので、お祭りにお金を出そうという所も少なく、Julyさんは、今年はどうなのだろうか。最近、webページも新しい情報がない様です。Julyさんの名前と同じ7月も今日で終りですが、8月が終われば「新入学シーズン」ですから、そろそろ日本でも39gIIが出たりするのかも ?

さて一方、楽天のkoboですが、デバイスは良かったのに、電子書籍市場のプラットフォームやデスクトップソフトの出来が悪く、少々泣けてくる状態であったそうな。やはり「デバイスの低価格」は評価したい、と思います。しかし、楽天IDを取って、端末をアクティベーションしないと使えない、というのは、苦しい。アクティベーションを行うソフトに不具合があって(今は修正されているそうですが)、アクティベーション出来なかったケースがあったそうで、そこが不味い。しかし、楽天のシャチョー三木谷氏は、「そんなのは少数派の悪評」と言ってのけているとか。やはり、楽天が手掛けた事が難しいのか。ウーン。
かと言って、Amazonはどうなのか、未だ未知数です。まだ、電子書籍は普及しそうもないのか、年内は ?

2012年7月15日日曜日

三角関数を使った計算の話題

fx-5800Pの取説を見ていたら、巻末に面白い問題が出ていたので試してみました。

p116に、「直接測れない距離」という例題が出ていて、底辺 A=50 [m],左側角 C = 61°32’, 右側角 D = 49°25’ となっている三角形で、右斜辺の長さ X を求める、というものです。取説には「公式」が出ていて、

X = (A・sin C)/(sin (180 – C – D))

という式で計算し、「答 : X = 47.06613853」となっているのですが、「そういや、これって、こんな風に計算するんだっけか ?」と思い出しながら、考えたのでした。

公式自体は「正弦定理」を書きなおしたものでありましたが、そういや、こんな計算、最近はしていないよねぇ。

正弦定理は結構使われる式らしく、形が良いので憶えやすいものであります。では、これをSolvreにて使うには、どうしましょうか ?
ここでは、入力の都合から、三角形の各辺をA, B, Cとし、更に、同辺に対応する角をS, T, Uとしておきます。しかし、Solvreでは、複数の等号は使えません。仕方がないので、A, B, S, Tだけの等式を入れましょう。

A/sin(S) = B/sin(T)

これで上記の問題を解くことが出来そうです。「B」を求める事にして、A=50, S=180-61°32’-49°25’, T=61°32’ を与えればよさそう。HP35Sでやってみた所、確かに47.0661 (FIX 4)を得ました。

ついでに左斜辺も計算させてみます。同様の手続きで、40.6610 (FIX 4)が求まりました。

そういや、fx-5900Pには、内蔵公式で「ヘロンの公式」もありました。三辺の長さが得られたので、この三角形の面積も計算できます。しかし、この式をSolvreに持ってくる具合には行かないので、手でチマチマと入力してやりましょう。
ヘロンの公式では、ラージSとスモールsがあり、このために2つの表式になっております。しかし、スモールsの方は、式を見やすくするために導入された程度のものなので、スモールsを使わない表式にすれば、式自体は1本になり、Solvreでも使えます。少々面倒ですが、この程度の式は一旦記憶させてしまえば良いので、そこが数式記憶機能の利便という具合です。

S = SQRT((A+B+C)*(B+C-A)*(A+C-B)*(A+B-C)/16)

少々長ったらしいのですが、これでヘロンの定理もバッチリ使えます。計算の結果、この三角形の面積は 893.6219 [m^2]となりました。計算練習として、お試し戴きたく。

2012年7月13日金曜日

CASIO「fx-5800P」について

Akira様入手のCASIO 「fx-5800P」について、取説のPDFを見たりしました。これは、実に凄い製品だった、と、今更ながら感銘すると共に、自らの不明を恥じる所であります。CASIO様、申し訳ない、とともに、こういう面白い製品を出して戴き、有り難く感謝。

PDFなどから判る範囲でしか書けませんが、どうやら、つぎの様な製品らしいのです。

【ハードウェア】

1) 何と、単四乾電池を1本で、1年動くというじゃないの。これで内蔵Flashの書き換えまで出来るというのですから、驚きの省電力といって良いと思います。

2) しかも、それだけ省電力の割には、結構早いらしい。いくつか情報を上げておられるサイト様をみると、数値積分でかなりの速度が出ている模様。

3) そして、これは少々勿体無いのかなぁ、と思われるのは、複数行表示可能なのに、グラフィクスの機能が見当たらない所。LCDの写真を見ると、キャラクタディスプレイではなく、グラフィクスも表示可能なものらしいのですが、そのグラフィクス表示は数式の自然表示 (積分表示など)にのみ貢献している。簡単な点打ち程度のグラフィクスとかあれば、面白かったかなぁ ?

【ソフトウェア】

これが今回、fx-5900Pを取り上げる「目玉」です。

1) アセンブリ言語風ながらも、プログラムが書けて、動きます。
BASICでいう所のinput$(1)に相当する、1文字入力待ちキー取り込みがあり、かなり自由度のあるプログラムが動きそうです(アクションゲームはムリですが)。まあ、これは電卓としては積極的に使われるものではありませんが、定型業務としてアプリケーションを組み込むという用途に使われている例もあります。

2) 次に、自然表記機能
この製品の特徴として、自然数式入力・表示があります。モダンなデザインとして、割合受け入れられている様です。

3) 正規分布計算能
また、今日的な機能という点では、正規分布計算能がある所が実の所見えない特徴になっているのではないか、と思えます。長らく、関数電卓の統計機能と言えば2変数統計機能 (直線回帰分析)でした。fx-5900Pは、どちらかというとハイエンド機種なのか、これが用意されています。
少し前の電卓では、正規分布計算能は「数値積分機能で計算すればいいでしょ」という扱いでしたが、今日では、数表程度の程度でもいいから、一発で数値が求められるべき機能の一つと言ってよいものと思われます。それが、この価格の製品で実装されました。ウレシイ。

4)  行列計算能
行列計算能もあります。複素数行列も扱えるらしく、これはかなり刺激的です。連立方程式の計算機能も、この行列計算機能を利用しているらしく、かなり大きな計算も出来そうです。

5)  数値微分・積分
数値微分、積分の機能もあります。数値積分だけで十分ではないか、と思うのですが、そこはやはり「電卓」、一々、前進差分の計算をするよりも、「答え一発」で中心差分の値が得られるのは、初学者にとっても便利な機能なのではないか、と思われます。

6)  数式記憶、内蔵公式
数式記憶機能も便利です。関数電卓を実務で使用する方にはウレシイ機能でしょう。また、内蔵公式というのも「いいものではないか」と思っております。
当方、以前は「使いもしない内蔵公式なんて、役に立つんかいや。ROMの埋め草だったら、その分ファームでも充実させて、色々な機能を盛り込んでみんかい」と思っておりましたが、fx-5900Pを見て、その考えを改めました。
確かに、実務では内蔵公式を使う場面は少ないのかも知れません。しかし、それでもCASIOは内蔵数式にこだわっていた。それは、元々「実務に使ってもらう」という願いもあったのかも知れませんが、実際には「実務に向けての教育的配慮」なのか、と思うのです。
実務で使っている人は、その専門分野以外の数式に積極的に触れる事はなかなか無いでしょう。それはそれで結構な事ですが、電卓製品を出している側にしてみれば、広い専門分野に対して製品を供給している、という自負があり、様々な分野に使えるんですよ、というアピールであり、ある意味「教育」なのか、と思うのですね。ある分野ではこうした数式を使っている、他の分野ではこっちの数式。そういう知見を盛り込んでいる。そうした事が、専門分野にあっても、より知見を広げていく。知見の横断的活用。そういう事もあって、CASIOは内蔵公式にこだわりがあるのだろうか、と思えて来たのです。
内蔵公式ではなく、自前の数式を記憶させる数式記憶機能だけで十分、と思っておりましたが、「では、実際に時分で使う数式を、コチコチ入れて使っていますか ?」と言われてたら、当方の場合、そうではありませんでした。電卓使いの人の中には、そうした事を地道にやっておられる方も居られるのかも知れませんが、それというのも、実務をきちんとこなし、その道具として電卓を活用されているからであって、実務により便利に活用するとなると、独自の数式を記憶させたりなどの活用につながっていく訳ですから、「内蔵数式なんて要らないんじゃないの」となる訳ですが、実は、内蔵公式自体は、そういう取っ掛かりを提供しているのだとすればどうでしょうか。例えば、内蔵公式に必要な機能があったとしても、実務では、他に「こんな式があったら便利だな」と思う場面もあるでしょう。それを数式記憶機能で補う。そういう使い方でもいいのではないか。
という事で、fx-5900Pを見て、内蔵公式の意味を悟った訳です。もちろん、数式記憶機能があってこそ、内蔵公式が十全に活用される側面はありますが、fx-5900Pでは数式記憶機能も持っている。
惜しむらくは、数式記憶機能、内蔵公式がSolvreで使えそうもない所 (取説を流し読みした範囲では判りませんでした)。これは、その内改善されるかも知れませんが、将来の製品では採用される事を切に望む次第です。

7)  その他
最近はCASIOの電卓を使っていないので、この辺りはどうなっていたのかよく知りませんが、今回、fx-5800Pの取説を見て感激したのが、三角関数のパラメータです。昔のポケコンやグラフ電卓では、三角関数の独立変数値域が±1440 (deg)という狭い範囲でした。この範囲を超えてしまう三角関数値を計算できなかったのですが、fx-5800Pでは、実用上十分な範囲で計算できる様になっております。


【締め】

総じて、今日的デザインとなったfx-5800Pは、かなり「買い」な製品なのではないか、と思うのです。これだけの機能が詰め込まれていて、価格がかなり安い (Akira様情報では、Amazonで6500円程度とか)。モダンな機能を持った今日のプロ電という印象です。過去、ポケコンを使っていたユーザーの一部 (何故「一部」なのかというと、BASICではないからだったりするのですが)に対しては「今日(「こんにち」)、コレを買うべし」と言って良い製品です。昔のポケコンよりも高機能で、しかもより「リーズナブル」な価格。この価格にあれこれ機能を要求するのは間違いなのか、と思わせる程に高機能。いや、これが売れずして、何を買う、というくらいのもの !

もちろん、SharpやCANONの関数電卓にも、使いやすくて良い製品はあります。また、CASIOもカラーグラフ電卓という「上位機種」を出しているのですが、ここまで低価格で高機能なfx-5800Pは「隠れた逸品」だったのではないか、と思うのです (「お前が知らないだけだ、ボケ」と言われたら、グウの音も出ません。私が悪ろう御座居ました !)。また、細かい所では、色々と不満が出るかも知れません (フルピクセルのLCDなのにグラフィクス命令がない、数式記憶とSolvreの連携が利かない、三角関数、指数対数で複素数が扱えない、etc ...)。しかし、そうした部分が至らなくても、高機能、低価格は大きな魅力です。本当、コレこそは中高生などのガキ共に購入させるべき製品なのではないか、と思うのであります。

で、ここまで褒めちぎったのですが、今の所、当方はこれを買うつもりはありません。何故か。それは、同等の機能を持つ電卓を手元に抱えている割に、その活用もままならないからです。Akira様は、手持ちの製品が壊れてしまったため、急遽、代替製品として入手されたのですが、それが「当たり」だった、という事ですね。CASIOにしてもSharpにしても。しかし、当方の電卓は今の所、問題なく使えておりまして (先程、TI-83+の電源を入れたら、画面が点かないのでキモを冷やしましたが、バックアップ電池が少なくなっていたためらしく、入れ直しで復帰しました)、当面、新しい電卓は(欲しいという物欲はあるものの)「お預け」です。しかし、fx-5900Pの様な「良い」製品があった、という事で、ウキウキしてしまいました。いずれ、現有電卓の代替をという頃には、fx-5900Pや、その後継機がある、そう思うと、安心します。